いわゆる人身事故を起こした場合、どのような状況で、どのくらいのけがをさせたか(または死亡させたか)によって、異なる刑が適用されます

例えば、普通に運転しているときに過失で事故を起こして、けがをさせた場合には、過失運転致傷となります。

飲酒や危険ドラッグなどで正常に運転できない状態で運転していた場合は酩酊運転致傷、薬物運転致傷となり、正常な運転に支障が生じるおそれを認識していた場合は準危険運転致傷などとなります。

この他にも、病気により正常な運転に支障が生じるおそれを認識していながら運転して人身事故を起こした場合や、進行を制御する技能を有しない場合、信号を殊更に無視して危険な速度で運転していた場合などは、危険運転として通常より重く処罰されます

いずれの罪も、被害者を死亡させた場合は、けがをさせた場合よりも、当然重く処罰されます。

人身事故事件でも、比較的軽微なものであれば、逮捕・勾留されないで済みます。逮捕・勾留された場合でも、弁護士に依頼すれば、釈放される可能性を高めることができます。

人身事故事件では、被害者に対して適切にお詫びをし、被害弁償もして、その結果、被害者に処罰を求めないと言っていただければ、最終的な処分に有利に働きますし、場合によっては、不起訴処分にもなります。不起訴処分になれば、前科がつきません。

一方、被害者と連絡が取れない、被害者にお詫びを断られてしまったという場合には、二度と同じような事件を起こさないために、どれだけのことができるかがポイントとなります。事件を起こしてしまった原因を検討し、対策を考える必要があります。

裁判になった場合には、そうした取り組みを続けていることを裁判所にしっかりと伝えることが重要です。