ご依頼者様:60代、女性

被疑事実:業務上横領

ご相談内容

ご依頼者様は、勤務先の店舗のレジから、会社の売上金を何度も不正に着服してしまい、業務上横領の被疑者となりました。会社側から高額な損害賠償を求められ、今後の刑事手続きや弁済について不安を抱え、ご相談にいらっしゃいました。

依頼後

ご依頼をいただいた後、会社側との示談交渉を開始しました。会社側は当初、被害額の一括返済を要求していましたが、ご依頼者様の経済状況から、一度に全額を返すことが困難な状況でした。そこで、ご依頼者様の今の財産や収入について詳しく説明し、すぐには返せないことを粘り強く伝えました。

話し合いの結果、会社側もご依頼者様の経済状況を理解し、分割弁済を検討してくれることになりました。最終的に、多額の損害賠償額に対し、初期費用を支払い、その後は長期にわたって少額を分割して支払うことで合意に至りました。

ご依頼者様は、自分の行いを深く反省し、二度と同じことをしないために、家族にお金の管理や行動を見てもらうことを約束する謝罪文を書きました。また、ご家族にもご依頼者様を支えていくという内容の書面を提出してもらい、ご家族の協力していく姿勢を示しました。 こうした被害弁償の支払と謝罪の取り組みにより、最終的に会社は警察に被害届を提出せず、ご依頼者様は刑事処罰を受けることはありませんでした。

解決のポイント

本件の解決のポイントは以下のとおりです。

  • 経済状況を考慮した分割弁済の実現: 被害者側が当初一括弁済を要求していたにもかかわらず、ご依頼者様の経済状況を詳細に説明し、粘り強く交渉することで、現実的な分割弁済計画での合意を形成しました。
  • 被疑者及び家族の反省と再犯防止への協力: ご依頼者様自身の深い反省の意と、ご家族による監督体制の構築を明確に示し、再犯防止への強い意思を被害者側および検察官に伝えることができました。これにより、被害者側の理解を得やすくなり、円滑な示談交渉に繋がりました。

刑事事件化を免れる:弁済及び再発防止の措置を取り、真摯に交渉に臨んだことで、被害会社にご納得いただき、刑事事件化することを避けることができました。