虚偽の風説を流布したり、偽計や威力を用いて他人の業務を妨害すると、業務妨害罪になります。
単純化すると、偽計とは間接的な方法、威力とは直接的な方法のことを言います。
偽計業務妨害、威力業務妨害となりうる行為の範囲は、非常に広く考えられています。例えば、他人を装って出前を頼んだり、多数回にわたってお店に電話をかけたり、お店の商品に危険なものを混入させたりすることなどが典型例とされていますが、殺人予告や爆破予告をインターネット上に書き込んだり、インターネット上の質問サイトを使ってカンニングした場合なども業務妨害として検挙されています。
業務妨害罪は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金になります。
業務妨害事件では、実際に業務が妨害された程度や、社会的影響ということが重視される傾向にあります。軽微なものであれば処罰されないことも多いですが、影響が大きいときには厳しく処罰されることもあります。
逮捕された場合でも、比較的軽微なものであれば、勾留されないで済むこともあります。釈放されなければ会社を欠勤することになるなど、影響が重大な場合は、弁護士に依頼すれば、釈放される可能性を高めることができます。
業務妨害事件では、被害者に対して適切にお詫びをし、被害弁償もして、その結果、被害者に処罰を求めないと言っていただければ、最終的な処分に有利に働きますし、場合によっては、不起訴処分にもなります。不起訴処分になれば、前科がつきません。
一方、被害者と連絡が取れない、被害者にお詫びを断られてしまったという場合には、二度と同じような事件を起こさないために、どれだけのことができるかがポイントとなります。事件を起こしてしまった原因を検討し、対策を考える必要があります。
裁判になった場合には、そうした取り組みを続けていることを裁判所にしっかりと伝えることが重要です。