ご依頼者様:50代、男性
被疑事実:事後強盗
ご相談内容
ご依頼者様は、スーパーマーケットで万引きをした際に保安員に呼び止められ、腕を振り払って逃走しようとしたとして、事後強盗の容疑で逮捕・勾留されました。窃盗行為は認めていましたが、保安員への暴行については、あくまで逃走しようとした結果であり、強盗の意図はなかったと主張していました。前科はなく、早期の身柄解放と、重い罪名での起訴を避けたいとの意向でご相談にいらっしゃいました。
依頼後
ご依頼をいただいた後、弁護士は直ちに警察署に赴き、ご依頼者様との接見を行いました。詳しく事情を聴取し、事件当時の状況を正確に把握することに努めました。
その後、ご依頼者様の家族と協力し、身元引受書を提出しました 。また、ご依頼者様自身も、被害者や店舗に一切接触しないこと、捜査に全面的に協力すること、反省と謝罪の意思があることを示す誓約書を提出しました 。
弁護士は、これらの書面を添えて、裁判所に対し、勾留決定に対する準抗告を申し立てました 。特に、暴行の程度が軽微であり、事後強盗ではなく窃盗罪として扱うべきであることを強く訴えました 。
その結果、裁判所は当方の主張を認め、勾留決定を取り消し、ご依頼者様は逮捕からわずか数日で釈放されました 。
勾留取り消し後も、弁護士は被害店舗との示談交渉を進めました。示談交渉の場では、ご依頼者様が深く反省していること、被害弁償の意思があることを伝え、被害店舗の店長と面談の機会を設けることで、被害感情の緩和に努めました 。最終的に、検察はご依頼者様の行為を事後強盗ではなく窃盗罪として略式起訴し、ご依頼者様は罰金の略式命令を受け、本件は終結しました 。
解決のポイント
本件の解決のポイントは以下のとおりです。
- 迅速な身柄解放活動: 逮捕後すぐに弁護士が接見し、家族の身元引受書や本人の誓約書を揃えて準抗告を申し立てたことで、早期の勾留取り消しと身柄解放を実現しました 。
- 罪名の争点化: 事後強盗罪は重い刑罰が科される可能性が高い罪名ですが、ご依頼者様の暴行の意図や程度を詳細に検討し、窃盗罪にとどまることを法的に主張したことで、略式起訴という有利な結果に繋がりました 。
- 被害者との示談交渉: 弁護士が代理人として被害店舗と粘り強く交渉し、反省の意と被害弁償の意思を伝えたことで、被害感情の軽減を図り、略式起訴へと進めるための重要な要素となりました 。
- 本人の反省と家族の協力: ご依頼者様自身の反省の態度と、ご家族の熱心な身元引受・監督の申し出が、裁判所や検察に良い情状として評価され、有利な処分につながりました 。